2010年8月13日金曜日

日常

随分前に乗っていた自分の車の写真を見ながら
車のこととかを少し考えていたのだけれど

そういえば、夏のこの時期にどうしても忘れられない、自分にとってはとても大切な思い出の場所があるなあ・・・



そう、それは、ある夏の日のこと

私の住んでいる街に、小さなサーキットがあったのだけれど
初めて父とそこで自動車レースを見て以来
その場所は私にとっての最高の遊び場所だった

学校の帰り友達の誘いを断って、いつもその場所へ一人で通い詰めていた

ある日、いつものお気に入りのストレートの終わるコーナーで、車を待ち構えていると
ストレートの彼方、逆光の光の中から現れた、純白のカレラ6、ブルーメタのデイトナ コブラ、そのなんと美しかったことか、そして、パドックでヒッソリと休むその車達を隅々まで見たこと

顔見知りになったパドックのメカニックのお兄さんといつも色々話したり、遊んでもらったりしたこと

隠れて、よくサーキット所有のエランやロータスのフォーミュラーのコクピットにもぐりこんで遊んでいたこと

子供だからと馬鹿にしないで、いつも楽しい話を聞かせてくれたレーサー達

そんな数え切れない数々の思い出がある場所が丁度今頃、突然無くなってしまった。


そう、それは、ある夏の日のこと
いつものようにその場所へと向かった私
でもいつもと何か違う
車の音が聞こえない、顔見知りの入場券売り場のお姉さんも居ない
不思議に思い、お気に入りのコースを見渡せる場所に行ってみると、きらきらと輝くコースの脇には草が生えている
さらに周りを見渡すと観覧席の解体がすでに始まっていた

呆然と立ち尽くす私、みんな何処に行ってしまったの
その時、何故か涙が出てきた事を思い出す

その場所での思い出はたった2年間だったのだけれど、そこでの出会いや経験の数々
そう、それは、私にとっての、永遠の夏休み。

今も心の引き出しの中にそっとしまい込んでいる、最高の夏の日の思い出。

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